週刊読売スポーツ連載・近藤竜太郎原作を松浦健郎が脚色、佐伯清が監督した柔道活劇。撮影は林七郎。
監督: 佐伯清
出演:杉浦直樹、千葉真一、佐久間良子、佐伯徹、室田日出夫、曽根晴美、神田隆、村田英雄
柔道一代 (1963)のストーリー
信玄袋を肩にして柔術修業に上京した本郷四郎(千葉真一)は、天道流大坪道場に入門した。師範代の巨大漢、中山仙造(山本麟一)の荒稽古に出会うが、大坪の美しい娘、道子( 佐久間良子 )に四郎は心ひかれるものがあった。ある日四郎は、過日の柔術大会で完敗を喫した香野( 杉浦直樹 )に復讐しようとする仙造一味に加えられた。しかし、一味が襲った人力車には火の玉組二代目、大村竜作( 村田英雄 )が乗りこんでいた。竜作の男らしい啖呵にひかれて一人残った四郎は、竜作の車の梶をとった。
翌日、この一切を知った大坪(神田隆)は仙造を破門したが、道場の所有権を楯に仙造は大坪親娘、弟子の北山らを追い出した。四郎も竜作の勧めで永昌寺の香野の道場に入門した。おのれを鍛えよと諭し、柔術を柔道と改めて邁進する香野の人格に四郎は傾倒していった。鳥森神社で行われている柔術と拳術の試合で、かつての友、北山が外国人ボクサーに痛めつけられるのを見た四郎は、我を忘れてリングに上り巨体を投げ飛ばした。興行をメテャメチャにされた新興やくざの矢部一味は四郎に襲いかかったが、竜作の父、源作の一言でその場は一応収まった。山北の話では、大坪が病に倒れ道子は苦界に身を沈めたという。四郎は道子を救おうと駈けまわったが、所詮手の届くものではなく、柔道一筋に生きようと心に決めた。
やがて警視庁の武芸大会が催され、柔道代表に選ばれた四郎は柔術代表の大坪と対戦した。四郎の凄絶な山嵐が勝負のキメ手となり、大坪は己れを敗った柔道の技を潔よく認めた。試合から帰る四郎らが逢魔ケ原にさしかかった時、柔道を仇と狙う仙造、矢部一味が襲いかかった。そこへ父源作を矢部に殺された竜作が火の玉組を連れて殴り込み、大乱斗が展開された。翌日、大坪道場には竜作に身請けされて帰って来た道子と、四郎の希望に燃える顔があった。
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