全国制覇を目指す暴力団・中島組。政界・財界・右翼の大物とコネをつけ、組織強化を計る半面、二人の娘に手を焼く父親でもある組織の首領を描く。脚本は高田宏治、監督も同作の中島貞夫、撮影は増田敏雄がそれぞれ担当。
監督: 中島貞夫
出演:佐分利信、鶴田浩二、菅原文太、高橋悦史、林彰太郎、小田部通麿、野口貴史、千葉真一、成田三樹夫、尾藤イサオ、松方弘樹、小林稔侍、渡瀬恒彦、内田朝雄、梅宮辰夫、二宮さよ子、 西村晃
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やくざ戦争 日本の首領 (1977)のストーリー
西日本最大の組織を誇る中島組。その事務所に、新興企業グループの専務・島原(西村晃)が訪れたのは、昭和四十一年秋のことだった。中島組会長の佐倉( 佐分利信 )に、社長のスキャンダル問題の解決を依頼、その代償として、西日本優良企業による、半永久的な献金組織の設立を申し出る。しかし、中島組の若頭・辰巳( 鶴田浩二 )は、あくまでも暴力による全国制覇の夢を抱きつづけていた。そして、いつか佐倉を日本の首領にしてみせると誓っていた。一方、佐倉にとっての泣き所は、そのファミリーだった。二人の娘、姉・登志子(二宮さよ子)は青年医師・一宮恭夫( 高橋悦史 )との恋に父親の存在が障害であることを口にし、妹・真樹子(折原真紀)は奔放な性格で、無軌道なふるまいで悩ませた。佐倉は、登志子を島原の養女として、一宮との結婚にこぎつけた。結婚式には党人派の小野伴水(神田隆)、右翼の大物の大山規久夫(内田朝雄)も顔を出した、盛大な結婚式の裏側では、中島組の武力進攻が続いていた。西から東へ、辰巳の意図を受けた暴力部隊は日本地図を血で染めていった。進攻の行きつくところ、それはいつか東京の組織との決定的な対立になることは、明白だった。
大山の政治結社結成の申し出を、やくざであることを自認する佐倉が拒絶したことで、事態は決定的となっていた。どこまでも武力に頼る辰巳の限界、娘・真樹子の麻薬トラブル、そして組織暴力壊滅を目指す、警察権力。中島組傘下の各組は、追いつめられ、次々と解散声明を発表した。そして、佐倉の腹心である辰巳までも持病の悪化と警察の締め付けから、佐倉を救い得る唯一の道は、解散しかないと覚悟する。佐倉の許しを得ず、辰巳は、病床で解散声明を書こうとする。しかし、今はファミリーの一員となった一宮が、辰巳に多量のモルヒネを注射した。辰巳組解散を聞き、警察や報道が病院に押し掛けるが、辰巳は息を引きとった後だった。
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